【再考〜放置竹林の手入れ】「1m切り」は実のところ気持ちの問題?ではその本当の駆除方法とは


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2022/05/03

以前の記事になりますが、我が家の先祖伝来で長い間のさばっていた
「放置竹林」を足掛け丸二年ほど掛けてじっくりと竹を駆除していった内容の記事をポストしていました。

合同会社タコスキングダム|緑のタコの田園地帯
[竹林駆除チャレンジ] 放置竹林を完全に枯らすまで足掛け数年の経緯観察をしてみるお話(完結)

放置された真竹(マダケ)の密林と化し荒れ果てた土地の駆除活動に取り組んでみました。

最近、放置竹林の駆除に詳しいかたから、
「効果の実証された竹の駆除方法」をお教えいただける機会があり、それはもう早く知っていれば試したのだけれど...ということを思っておりました。

出来ればこれから放置竹林の駆除に挑まれる方に向けて、その駆除方法をダイジェストながら噛み砕いて紹介します。


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森林総合研究所の提案する駆除方法

詳しい資料は以下ようにPDF文書にて公開されています。

参考資料 | 広がる竹林をどうしよう? という時に〜放置竹林の把握と効率的な駆除技術

少し学術的形式の文章であるので、どなたにでも読みやすい内容ではないかもしれないかも知れません。

ここでは具体的な手順をどう紹介してあるのかを解説してみたかったのですが、資料での掲載内容は転載不可となっております。

残念ながら具体的な駆除手順やデータや写真等の紹介はできませんが、詳しい内容は資料の方を読み込んでいただいて、以降の内容で、オブラートな内容で差し支えない表現を交えながらポイントを抽出する形でまとめてみましょう。

方法① 「ひたすら伐採する」

まず一つ目は、「そりゃそうだろ」と言われそうなやり方ですが、根気よく定期的に竹を取り除く方法が挙げられています。

これは
前回の記事の結論と全く同じです。根性、こそが最高の方法なのは間違いありません。

文献中のデータでも、年2回の頻度で竹が生えるたびに刈払いを7年間継続したら、ほぼ竹を駆除できたとのことです。

竹の繁殖力な無くなるまでひたすら刈り続ける、ということが最終的にもっとも確実ということでしょう。

これは竹を問わず、生命力のしぶとい生態系に影響を及ぼす外来生物の駆除でも同じことで、問題解決には誰かの弛まない努力が必要になるわけです。

方法②「適切に除草剤を使う」

先程方法を見られて、「とても7年なんて継続できるか分からない」「根性なんて時代錯誤」と思われた方も多くいるでしょう。

同研究所の提案はそういった、
「時短」する方法にも言及されております。

それが
「農薬ブースト」による、竹の弱体化を合わせて行う方法の評価も実施されています。

なお、「農薬を使う」という行為そのものに、嫌悪感や土壌を汚染してしまうかも知れない罪悪感などを抱かれる方も根強くいらっしゃることでしょう。

以前の記事で、農薬が土壌に与える内容をまとめてみましたので、農薬の利用へ色んな不安を抱えている方に一度読んでいただければと思います。

合同会社タコスキングダム|緑のタコの田園地帯
【スマート農業コラム】ラウンドアップ(グリホサート系農薬)は本当に人間にとって悪なのか

スマート農業の目線を変えてこれらかの次世代農業におけるラウンドアップのような農薬の在り方を少し考えてみます。

ともかく、現代農薬の利用に関し、さほどシビア&ネガティブに捉えず、有効活用をすることを全体に考えると、ここでいう「グリホサート除草剤」の代表格ともいえる
「ラウンドアップ」を活用することを検討されると良いかも知れません。

資料で使われた農薬の製品名は良く分かりませんでしたが、国の農業機関が用いる除草剤ですので、もしかしたら一般には手に入れにくいようなものなのかも...と想像してしまいます。

幸い現在、「
日産化学 除草剤 ラウンドアップマックスロード 1L
」などラウンドアップ製品はどこのガーデニングショップでも、ホームセンターでも簡単に購入することが出来、入手性&コストパフォーマンスに優れている農薬です。

資料の中では、グリホサート系農薬と塩素酸系農薬のそれぞれの方法が紹介されており、竹への注入手順も丁寧に図解されています。

結論から先にいうと、長年の研究の中で様々な竹の駆除方法を比較評価された上で、コスト最小・効果の出る期間が最短であるとされているのが
「竹稈薬剤注入&枯竹皆伐」を組み合わせた方法であり、もっともパフォーマンスの良い方法である、とのことです。

「竹稈薬剤注入」とはその名の通り、竹の内部へ直接除草剤を注入してスピーディーかつ確実に根まで枯らす方法を指します。

そして竹全体が枯れた後で、地面から取り除くことを
「枯竹皆伐」としています。

このやり方が最終的に、時間的にも人件費的にもトータルとしての費用が抑えられることを示唆されているようです。

詳しいコストの数値や竹稈薬剤注入のやり方などは、公開されている資料の方に内容が記載されているので、興味があればそちらでご確認ください。

参考資料 | 広がる竹林をどうしよう? という時に〜放置竹林の把握と効率的な駆除技術

1m切り法は効果なし?

以下の竹の1m切りの効果を検証された群馬県環境森林部の試験報告によると、何パターンの条件組み合わせで1m切りの有効性を評価していたようです。

参考|マダケの1m伐り及び刈払い適期の検証

結果だけでいうと、地表から1mの高さで竹を切っただけでは、その後の竹の生育状況に変化を与えることが出来なかったようです。

この結果は見方によって賛否が分かれるかもしれません。

個人的には、試験のためとは言え、1m切りの範囲が少し限定的な印象を受け、1m切り法の効果を完全に否定しきるにはまだ不十分でより突っ込んだ検証手段が必要かと感じました。

竹は地下茎でかなりの面積に広がる単一の巨大な生物という一面を持っていますので、人間が目に出来る地表に伸びた竹棹の部分はその巨大生物のほんの一部に過ぎません。

地下茎の実体が分からなければ、地表に出た部分をいくら限定的に間引いても、生き残った部分から栄養が供給され、結局は竹を駆逐できずいたちごっこになると思います。

その意味では、地下茎の全体的な広がり具合を検証した上で、その竹全体から地表に出ている竹を一斉に1m切りしたらどうなのか、というような竹を群体として捉えるのでなく、一個体として実験されたほうが良かったかも知れません。

記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

個人レベルで可能なハイテクx農業を日々模索しています。 時折スマート農業界隈の気になったニュースなどもゆるく情報発信する感じです。