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2022/08/09
海外の大規模農業と比べると、日本の農業の特徴は、耕作地の面積が狭く、農家一人あたりの収穫量も少ないと言われています。もともと日本は起伏の多い地形で、 国土全体に占める山地面積の割合は75%ほどもあるため、大規模な営農に適した土地は少なく、はるか昔から農耕に携わっていた人々の手によって少しづつ急傾斜でかつ深い森林に覆われてた土地を開墾することで、現在の農地が形成されてきた歴史があります。そういった事情もあり、広大な平地を有する諸外国の中で主流となっている農法自体を、そのまま日本の農業に取り入れられない、という課題に多くの農業分野で直面するのはよくある話で、「スマート農業」も例外ではありません。海外で成功しつつある最新のスマート農業のテクノロジーを、そのまま輸入して、日本の農業事情にも上手くマッチングして、農作物の収益性向上に繋がるのか?という問いは、結局のところ、試してみないと実際の効果が見えないことがほとんどです。ひと括りに「農業」といっても、その国の風土や気候によって最適なやり方は大きく異なる、ということは、これから就農される方々にとっても、従来型の農法や最新のスマート農法技術でも共通して、あらかじめ意識しておくべきことです。ということで、日本のお土地柄、ともいえる「山間で傾斜が多い」・「(あぜ道など)農業用通路も狭い」の課題の解決に取り組みをいくつかの事例をもとに、つれづれながら独自に考察してみます。
傾斜・悪路を駆け上がる 〜 CuGoクローラユニット
やはり日本の農業で大きな問題となってくるのは、「土地の傾斜が多い」・「農地までの道も狭い」という農作業する人間側にかかる肉体労働的な側面です。傾斜が多いと、作業者が行来するだけで、相当な負荷がかかります。また、細い道からのほ場へのアクセスも限られるため、作業の効率化に必要な大型の機械が導入できないなどのデメリットあります。著者としては、数年前の見解として、『農業用ドローン』を上手く活用することで、様々な課題が解決するかもしれないと期待を寄せてきました。しかし、この数年で、ドローンの利用自体に、急速に法整備がすすみ、機体登録制および操縦ライセンス制が義務化されてしました。既に、許可なしにはドローンを活用した業務そのものが禁止されてしまい、おそらく農業に限らずドローンを利用した産業そのものの普及と市場成長速度に対して、重たいブレーキになるものと思います。
[話題 x ドローン] ドローンの登録義務化で思うこと無人航空ドローンの所有・利用する際に登録義務を課されるようになるまでのニュースを細かくまとめてみます。
これまでの弊社ブログでは、このような話題になると、最初にドローン技術を取り上げようとしたかもしれませんが、実に日本的な事情で、「ドローンを活用したスマート農業」のゲームチェンジャー的な可能性は潰えたような気がしてなりません。そこで、空がダメなら陸を移動するロボットを検討することになります。まずドローンより自由度は下がりますが、悪路でも小回りが利き、より積載荷重に耐えられるような足回りが必要になるでしょう。CuGoRex社の開発している多目的に利用できる小型のクローラーユニットは、日本の農場で活躍できるロボットに応用できる可能性を感じさせてくれます。テスト開発用電動クローラユニット - CuGoクローラーの関連動画:動画出典: 不整地に強い汎用クローラモジュールCuGo V3 https://youtu.be/lwbMaX63Rlg
このクローラーユニットは電池駆動ではあるものの、傾斜の多い農地で、高い走破性を発揮できるようです。また、クローラー単体の自体の耐荷重が50kgもあるため、アイデア次第で、様々な自作のユニットをマウントすることで、ほ場での作業目的に合わせてカスタマイズすることもできます。出図先: CuGoRexウェブサイト https://cuborex.com/cugo
また、ロボットのスケールアップを検討する際には、更に大型サイズの電動クローラーユニット・「CuGoMEGA」もラインナップされています。クローラーの関連動画:動画出典: 大型汎用クローラ CuGo MEGA https://youtu.be/NUdT4HXOkS4
こちらは1ユニットあたり最大積載量100kgまでと、非常にタフな作業にも対応しています。このCuGoクローラーを用いた自立型の農作業補助ロボットの研究もいくつか行われているようです。例えば、東京大学の農学系の研究グループの応用例を見ると、ほ場の除草を自動で行う小型ロボットを開発しているそうです。参考|スマート農業での活用に大きな期待!除草、栗拾い、作物の成長観察、敷地内マップ制作…様々な不整地の足回りにCuGo活用開始試作機試験中の動画:動画出典: 東京大学海津先生_自動小型除草機 https://youtu.be/OEZnueUI3P4
このようにアイデア次第で、自作できる応用オプションの幅が広がってくることが、面白いと感じます。著者も、ほ場というほどではありませんが、無駄に広い山林を保有している傍ら、定期的に除草作業をやりながら、「自走式の除草ロボットができないかな...」とぼんやり思ったりすることがあります。構想だけですが、CuGoクローラーは24VDCバッテリー式ですので、組み合わせるとしたら電動式の除草刈払機との相性が良いでしょう。最近では、バッテリータイプの除草刈払機も多く市販されているため、そのような製品を少し改造すると、自作ユニットとしてマウントできそうな気がします。除草刈払機を利用する問題点としては、むき出しの回転刃をロボットにそのまま搭載してしまうと、不測の事態に陥ったときに、対処し難い点にあるでしょう。自分で弾き飛ばした石に当たって、稼働部品に致命的なダメージを負うというのは自爆に近い欠陥です。この点でいうと、最近面白い商品を見つけて、これは利用できるのでは、と思わせてくれたのが、アイデック・スーパーカルマーPRO刈払機です。刈払機の動作動画:動画出典: 【アイデック】スーパーカルマーPRO https://youtu.be/GGpvbodziiY
あとは刈払機の動力部分をどうするか...は悩みどころですが、24VDCのスピンドルモーターなどで、回転できないだろうか、と考えているところではあります。
まとめ
以上、今回は、主に日本の農地に適した自走式ロボットの足回りを中心に考察してみました。この辺、まだ構想などももっとウォッシュアップして、今後も更に議論を深めたいと思います。