[話題xドローン] ドローンの登録義務化で思うこと


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2020/07/02
2020/07/27
2020/12/11
2021/03/13
2021/11/11
合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

この記事では時事ネタとして、2020年から見る
無人航空ドローンの所有・利用する際に登録義務化までの道のりを時系列的にアップデートしながら継ぎ足しで語っている内容になっています。

この数年間、国内におけるドローンの法整備が現在急ピッチで進んでいますが、政府の思惑や関係省庁・公的機関があまりに小出しで決まるので、新しい法案が浮上したり、突然引っ込められたりしている様相です。

商業用ドローンの個体ごとの登録義務化に関しては、弊社もスマート農業向けの技術開発用にドローンを使っているため、ここ数年の一連のニュースを注意深く、継続的に見守ってまいしました。

以降の内容では、ドローン法整備における様々なトピックスが時系列が入り乱れる形で取り上げてしまう形にはなっていますが、今後事業者としては無視もできそうにない内容のためブログという文面で思い立ったら残しておこうという趣旨でまとめていきます。


登録義務化はいつから?

航空法改正により、早くて2021年末から遅くとも2022年始めに登録制度を導入される予定のようです。

導入後は、200グラム以上のドローン所有者は、氏名や住所、ドローンの個体情報を国交省に申請し、認可を受けることで、所有ドローンの識別コードを与えられる仕組みになるとのお話です。

2020年12月の航空法法改正の議論では、200グラム級のドローンでも危険性は否定できないという議論内容があったことからやはり重量規制の強化の基準を見直し、100グラム以上のドローンを対象に改正法に盛り込むような流れになってきています(下の節:
続報 ・ 軽量ドローンの規制強化を参照)。

既に機体重量による規制の議論は今後もイタチごっこになる様相を呈する気がしてきます。もしかすると、90g、80gと意味のない規制の値を刻んでいくことになるかもしれませんが、いくらドローンの重さで潜在的な議論を続けていっても今後はあまり建設的な話し合いにはならないとは思います。

また、国内外で生産されるドローンの高機能化に伴い操作範囲拡張の方向に技術シフトがなされる傾向にありますが、届く範囲によっては国内の無線電波法の規制強化の流れにも今後着目したいところです。

場合によっては、周囲半径50m以上のドローンも規制の対象になり、等級かされたドローン運転許可ライセンス以上の登録者でないと扱えないようになるかもしれません。

いかんせん、国内でドローンを扱うための法基準が細分化されることは避けれないようです。

登録義務化決定!

※ 2021/11/11更新

2021年10月12日付けの国土交通省の発表によって、正式に来年2022年6月20日をもって、
ドローンの機体登録の義務化が施行される運びになりました。

当初の予定では、2022年の初頭で義務化の調整が進んでいましたが、色々と決めておくべき内容などで協議が長引き、来年の中盤頃で落ち着いたようです。

初回の登録義務の対象は、当初から議論されていた重量100グラム以上の機体も規制対象という内容がそのまま通る形で、
重さ100g以上の機体で、これまで航空法による飛行規制の対象外だった200g以上という括りよりも更に厳しい小型ドローンも含まれるようになります。

もちろん、そこからすぐに再び
重量による区別なく商業目的の機体ならば全て義務化という話にもなるかも知れませんので、そのつもりで追加の規制に準備されておいた方が良いでしょう。

今回の義務化では、対象となるドローンの所有者は、
氏名住所機体情報を国へ届け出なければならないほか、飛行中の機体において登録番号が目視できるように表示する義務を負うことになります。

なお、ドローン機体登録の申請は、今年2021年12月20日からインターネットで受け付け開始になります。

おそらく来年の6月20日前後で登録手続きされる人たちでが混み合うことが予想されるため、対象となるドローンをお持ちの方は余裕を持って手続きされることをおすすめします。

ドローン義務化が先行して法律化してしまいましたが、そこからさらに
操縦免許制の話も進展してくるので後数年は目が離せません。

参照 | ドローン登録義務、来年6月から 100g以上、規制も拡大


全ては社会の安全のため

昨今では、度々謎の飛行体が目撃されて、ニュースなどにも取り沙汰されているようになりました。

まだ日本では大きな事件・事故になったケースは少ないものの、近年では無許可で飛行させたドローンの摘発事例が増加傾向にあり、警察庁のまとめでは、2019年の摘発件数は111件で、初の100件越えをしたようです。ということで、日本の社会で安全なドローンの運用ルールの整備が急務となっているようです。

なお、操縦者に違反や過失などが認められた場合には、50万円以下の罰金か1年以下の懲役が科されます。

ドローンの安全基準の概念の一つの目安として、政府の
空の産業革命に向けたロードマップで定めた定ドローンの飛行操作レベルが指標の一つとして参考になります。

合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

出図:
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai15/siryou1.pdfより抜粋

この図を表としてまとめると、

飛行条件

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4

操縦法

操縦者による手動

自動自律型

自動自律型

自動自律型

目視

必要

必要

不要

不要

無人エリアでの飛行

- (利用想定外)

有人エリアでの飛行

◯ (現行は法的に未承認)

用途

空撮や軽作業

測量などの長時間に渡る比較的負荷の大きい作業

荷物輸送などの長距離業務

一般家庭への荷物配送など高度な業務

現状では、市場規模も大きくなると予想され、商用利用での展開が待たれるレベル4の法整備が急ピッチで進んでおります。


機体登録制・操縦免許制に関して

※ 2021/03/13更新

現時点では、どの程度の資格試験を設定したり、認定機関を新たに新設したりするのかは分かりませんが、今後は政府主導でドローンに関連した免許制度を創設する方針すでに決定済みです。

また操縦者のための学科、操縦者の技能実技試験の実施も視野に動いているようで、扱いとしてはフォークリフトやクレーンなどの資格講習のようなイメージにゆくゆくはなっていくのでしょうか...。

次の産業を担う要のインフラテクノロジーとして、近い将来、ドローンを見ない日はないくらいになってくるとすれば、安全な運用を徹底したルール作りを今のうちからやっておかないといけないというのは自然な流れなのかもしれません。

ドローンの登録料や免許維持費も取られてしまうと、なんだかいっきに新規参入や一般普及のハードルが上がってしまうかも...という懸念はあります。また試験を受けるのは良いとしても、著者のような地方の田舎住まいの人間からすれば、試験会場へのアクセスはドローンの持ち込みを加味しても、車で通える範囲の場所に設置していただきたいものです。

現時点で新設が決まっているのが、

        + 操縦者の技能に関する証明制度:
    - いわゆるドローン操縦ライセンス。
    - 技能証明には学科と実地の試験を予定されている。
        -->試験には民間試験機関に一任される計画
    - 第三者上空(レベル4相当)を扱える一等資格と、
        それよりもレベルの低い操縦を扱える二等資格に分かれる
    - 16歳以上が対象となる
    - 三年に一度の頻度でライセンス更新を義務付ける

+ 機体の安全性に関する認証制度:
    - いわゆる機体認証
    - 第三者上空(レベル4相当)のドローン機体は第一種、
        それ以外の機体は第二種として登録する
    - 機体登録者に機体の整備を義務付ける
     --> 国の登録を受けた民間検査機関が検査を実施する
    - メーカから型式認証を受けた機体については機体認証の手続きを簡素化
        
というような内容で2021年3月時点で国会法案に提出されていますが、法案可決・通過・成立後1年以内に施行されます。

また、無人航空機に係る事故の防止及び状況把握のため、
運航管理のルール等を法令等で明確化も同時に進めていくようです。こちらもライセンス保持者はよく気に留めておく必要があり、ドローンの運航管理のルールを遵守しなければならないのみならず、飛行計画の通報・飛行日誌の記録提出・事故発生時の国への報告などの義務を負うことになります。

ということで、ドローンの飛行レベル1~4に対応した新制度で変更になる項目は以下の図のようになるようです。

合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

出図:
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai15/siryou1.pdfより抜粋

この図からも読み取れるように、ボビーレベルのドローンを今後自由に飛ばそうと思うと、二等資格の取得と第二種機体認証が必要となる場合がほとんどではないかと考えます。


ドローンの重量規制(ニュース時系列)

ドローンの重量規制は年々厳しい方向に向かう傾向にあります。

規制の推移の記録も兼ねて、同時の報道内容も残して本記事をアップデートを続けております。

軽量ドローンも規制の対象に

※ 2020/07/27付

どうやら今後は200g以下の小型ドローンに関しても規制適用対象として拡張させるようになるそうです。

まだ現時点ではこの改正航空法の詳細は決まっていないようですが、2020年度内に具体的な基準を検討して、さらに航空法を改正する動きになるそうで...ますます締め付けは厳しくなる一方です。

ということで、規制の対象はすべてのドローンに適用されるため、操作許可制・免許制の動きが加速していくと考えられます。

参照 | 東京新聞オンライン 軽量ドローンも飛行規制の対象に 国交省、安全対策を強化

続報 ・ 軽量ドローンの規制強化

※ 2020/12/11付

直近で話題になりニュースでも取り上げられることが多かった軽量ドローンの規制強化ネタの情報をアップデートしておきます。

参照 | ドローン規制強化、100グラム以上に 危険性指摘受け

上節でも取り上げていたように、100gまでの小型ドローンも規制されることが正式に決定したようで、特にこの規制ではトイドローン愛好家の間で悲しみの声が多く聴かれてくる状況になっていました。

ドローンの性能も年々向上して来ており、最近のトイドローンでもかなり高速回転できるローターがネットショップなどでも入手でき、屋外でも安定して高速に飛行タイプの商品も増えつつあった状況を踏まえての今回の規制基準強化はやむなし、というのが政府の見解のようです。

今回の決定は、やはり100g程度とはいえ、かなりのスピードを持って上空の高い位置から人の頭上に衝突すれば、かなりの事故になりますし、一般家屋に落下して私有物を破壊した場合には器物損壊になってしまいますので、そこら辺を重くみられたのかもと予想はしておりました。

おそらく、次のドローン関連の法整備のフェーズとしては、いよいよドローン操作の資格制度・免許制度の制定が来年度中にも視野に入って来るものと思われます。とはいえ、急な法整備は関係者の混乱を生じさせるだけなので、あまり急ぎばやに決めるのはやめてじっくりと詰める項目は色々な専門家の見識を取り入れながら醸成して行いって欲しいものではあります。

個人的には、ドローン操作の国家資格化は既定路線なのではないかと思いますが、国家資格の内容がどのようになるのかは不確定ですので、今後はそちらの内容にも着目していきたいと思います。


「紐付きドローン」は無許可に出来る?

※2021/08/01更新分

上記で述べてきたように日本ではかなり細かくドローンの飛行の規制があるので、海外に比べていまいち浸透しきれていないのが現状です。

ふとリード付きならドローンの巡行範囲が制限も出来て、予期せぬ危険性も著しく減らすことができるので、許可が要らなくなる?とそんな議論を目にしました。

日本でドローン飛ばすために許可を取らねばならないことが多いため仕方がないといえますが、
リード付き次第で、無許可でもドローンの飛行試験程度であれば飛ばせるようにできるかも知れません。

報道によれば、国土交通省は2021年10月頃に航空法施行規則を改正し、強度が十分な30メートル以下のワイヤーでドローンを係留することを条件とし、許可・承認不要で人口密集地や夜間、目視外の飛行を可能なる、という内容を検討しているそうで。ただし、これまでと同様に、飛行範囲内で第三者の立ち入りを監視し、飛行状態を目視できるようにしておかなくてはならない、という条件はそのままです。

30mがおおよそ8~9階建てのビルの高さと同じくらいだそうですので、実質かなり飛行範囲が制限されるとは言わざるを得ません。

結局のところは、ドローンの性能試験などでリード付きにすることで、逐一細かな国への報告義務が発生されても対応に困る、という関係機関の意図を汲んだ施策なのかも知れません。

なおドローンの紐として利用するのは、
丈夫なリード程度にしか言及されていませんが、丈夫すぎても飛行する際の紐自体の重量負荷で差し支えるのも困るのですが、逆に軽い紐だとプロペラに絡まってクラッシュする危険性もあり、紐の取扱にはそれなりに注意を払わないといけないかも知れません。

とはいえ、国への許可申請をしなくてもドローンが飛ばせるようになることは、今後の日本のドローンメーカーにとっては非常に有り難いことかと思います。

参考 | リードつきドローンなら人口密集地でも許可なく飛ばせるようになるかも


まとめ

以上、現状で法整備が大分進んできたドローン登録制ドローン操作免許の話でした。

また年内には資格取得までの詳しい情報が入っていると思いますので、その時には具体的な登録方法の話題も取り上げてみたいと思います。
記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

個人レベルで可能なハイテクx農業を日々模索しています。 時折スマート農業界隈の気になったニュースなどもゆるく情報発信する感じです。