[新しい農業のカタチ x 国内スマート農業] スマート農家支援プラットフォームのフランチャイズ式システム


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2020/11/12

スマート農業を始めるきっかけ作りというのは、新規スマート農業就労者の獲得にとって大きな障壁になってきます。

とにかく日本の就農者の平均年齢は67歳~と高く、長年専業で農業を営んできた方ほど、デジタルな機器を扱うことにとても消極的な方がほとんどでは無いかと思います。そういったケースはほとんどですので、なかなか従来型の慣れ親しんだ農法のスタイルからは移行していかないのが現状と言えます。

これからのどの産業にとっても、デジタル人材の育成が急務になっていますが、農業分野も例外ではありません。
農家兼プログラマーに!というほどでは厳しい条件では無いのですが、スマート農機械やアプリを適切に扱える最低限のIT知識は身に付けておきたいところです。

そこで、これからの次世代型の農業を発展させていくためには、元々就農に興味があって、デジタル機器を扱うのにも慣れているけど、どうやったらスマート農家になれるのだろうかと考えている比較的若い世代の人材を発掘して支援する枠組みのようなものが必要になってきます。

今回はそんなモデルケースになるかもしれない、静岡県の
Happy Quality社の取り組みを取り上げてみたいと思います。


スマート農家は待ってても増えない現状

ここ数年の傾向では、50歳未満の新規就農者は微増しているものの、定着率が必ずしも高いとは言えないのが現状のようです。

参考サイト:
新規就農者の35%が離農する現実──未来の農業の担い手を定着させる方法とは?

新規で就農した人に待ち構える現実として、

        + 事業として軌道に乗るまでは所得が少ない
+ 専門的な知識・技術が不足している
+ 設備投資額が思ったより高額
        
など就農後になって直面する課題によっては廃業を余儀なくされる可能性もあり、またこのようなことがメディアなどで取り沙汰されることで新規就農自体に悪いイメージがついてしまい、なかなか人材が集まってこないことになります。

ここので問題解決には、農業を始める方の不安に感じる就農後の障害を取り除いてくれるような一貫した枠組み作りが急務となってきます。

Happy Quality社の提唱・提案する
Happy方式農業モデルはまさにその次世代型のスマート農業就農者獲得への一歩踏み込んだ新しい枠組みのモデルケースの一つであり、新しいスマート農業向けプラットホームの黎明を感じさせるものです。

合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

出図: Happy Quality Webページより,
https://happy-quality.jp/service/

Happy Quality社のビジネスモデルは、農産物の流通・生産・販売を一貫したサプライチェーンの構築を目標として掲げられたものです、

これまでの現行の青果物流通では、生産者が農作物を消費者へ供給するだけの一方行的な
プロダクトアウト方式が主流となっていますが、マーケティング戦略を取り入れた手法を取り入れ「売れるものだけを作り、提供する」・マーケットインのフェーズを新たに設けることで、生産・流通・販売が一つのパッケージとなっていることが大きな特徴です。

以前、
農水省策定のスマート農業推進総合パッケージについてその骨格となる5つの政策を簡単にまとめましたが、実践的なスマート農業用プラットフォームの足掛かりになるものとしても期待が持てるように感じます。

合同会社タコスキングダム|緑のタコの田園地帯
[話題 x 国内スマート農業] 農水省策定の「スマート農業推進総合パッケージ」のお話

国内のスマート農業の推進政策・「スマート農業推進総合パッケージ」をポイントを掻い摘んでみます。


高付加価値の商品を生み出すスマート農法

まだHappy Quality社の試みは始まったばかりで、取り扱う製品ブランドとしては、トマトとメロンを先行して事業展開しているようです。

メロンやトマトは消費者からのニーズも高く、現行でビックデータやAI、光学センサーなどの先端技術を利用した割高なスマート農法によって生産を行って高品質・高付加価値路線を打ち出しても、高単価販売が期待される作物といえます。

ここで生産されるブランドトマト・
Hapitomaは、品質もさることながら、ストレス緩和機能の効果を持つ機能性食品として健康面でも優れている製品です。収穫後は、光センサー搭載の選果機によって1粒ずつ糖度・形・リコピンを計測・選別し、厳しい基準をクリアした物だけが出荷されるこだわりです。

動画出典: Happy Quality 光センサーによるトマト選別,
https://youtu.be/PVTEYxUtA08

リコピンの量は通常のトマトの2倍以上の物だけを選別し、さらに糖度別に6-10度までのラインナップで販売されているそうです。

もう一つのブランドメロン・
DOCTOR MELONも、完全温室栽培の甘く・低カリウムという製品です。

カリウム濃度を低減化したことで、腎臓病疾患などカリウム摂取制限がある方も食べやすいように考慮されながら開発されているそう。あのメロン特有のピリピリとした刺激感や青臭さ、口内の刺激になるアレルギー抗原も、カリウム含有量の減少により緩和されているとのことです。


まとめ

海外でもスマート農業のスタートアップ企業への投資家・大手のファンドや投資系金融機関などの大きな資金提供がたびたびニュースになっています。日本でも次世代のスマート農業ビジネスを育てる意味合いで、スマート農業系の中小企業への投資が活況になってくるような気がしますので、これからますます注目です。

参考サイト

農業×AIにより独自の農産物栽培方法を確立し農家支援を行うHappy Qualityが資金調達

記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

個人レベルで可能なハイテクx農業を日々模索しています。 時折スマート農業界隈の気になったニュースなどもゆるく情報発信する感じです。