[スマート農業@海外ニュース] Iron Ox社が米カリフォルニア・ベイエリア郊外に完全オートメーション化農場を建設予定で2000万ドルを調達


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2020/09/18

以前このブログでもアーカイブした記事では、ヨーロッパ圏でのオートメーション化農場の話題を取り上げましたが、アメリカでも人口規模の大きい大消費地の近郊で、完全な自動化を目指した大規模農場の建設が始まっているようです。

今回は各国で期待の高まるオートメーション化農業のニュースを簡潔にアーカイブしておきます。


概要

米国サンフランシスコ・ベイエリアに拠点を置くIron Oxは、9月に事業が軌道に乗り始めた段階を示す資金調達ラウンド・シリーズBを発表しました。調達額は2000万ドルにのぼり、同社は安定的な経営とさらなる収益拡大を目指しているようです。またこの調達ラウンド・シリーズBでは、多くの投資家や投資機関も参入し、累計調達額は4500万ドルまで膨らんでいるとのことで、米国内のオートメーション化農業への期待感を表しています。

同社では2015年よりロボットを導入した独自のハイブリットハウス栽培に取り組んでおり、現在では農業ロボティクスのパイオニア的企業として知られています。

2018年時点で、AI制御下で稼働するオートメーション化したクリーンルーム内の農場により、土壌のない栽培ボックスの中で様々な種類の葉物野菜を育てるという手法を確立しています。

動画出典: Iron Oxチャンネル
https://youtu.be/m_RXm119XPM

より効率的で手広い野菜の生産をビジネスの中核に掲げ、従来の農業手法をオートメーションを取り入れて最適化を行うことで、より新鮮で安全な無農薬の野菜をより多くの消費者に迅速に届けるために、このほどベイエリア郊外のギルロイに栽培面積1万フィートもの農場による生産をスタートさせたことも明らかにしたそうです。

新しい農場からはすでに消費地に出荷も始めており、さらには来年までには全米各地へ配送し、ビジネスのネットワークをさらに強化する予定のようです。


膨らむ投資家の期待

フルオートメーション化された農場の発展が、今や多くの国で問題化してきている労働力不足や、サプライチェーンの課題の解決に役立つかも知れないと、目をつけて期待している投資家も多く存在しています。今回の同社が前回の資金調達額の2倍以上を調達できたのはそういう背景もあり、特にいまだ終わりの見えない新型コロナウイルス感染症による社会不安の中で、新しい生活様式/新しいモノ・人・カネの流通構造の変化に順応できた企業がここから大きく成長できるということはいうまでもありません。

同社はそんな時代のモデルケースとして、新しいビジネスへのプレゼンスを示したことが、投資家界隈に大きく評価されたようです。

これからの農業オートメーション化の大きな流れとして、同社のように農学者、エンジニア、栽培の専門家、機械オペレーターなど各分野に明るい専門チームによって、オートメーション化の技術がさらに高度なものになることが期待されており、市場規模もこれから大きくなって行くことでしょう。

参考サイト

Iron Ox(海外サイト)

Iron Ox Raises $20 Million in Series B Funding, Announces New Robotic Greenhouse in California and National Expansion | Businesswire(海外サイト)

記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

個人レベルで可能なハイテクx農業を日々模索しています。 時折スマート農業界隈の気になったニュースなどもゆるく情報発信する感じです。