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2023/11/28
地方の広い庭のある空き家を購入したときに、だいぶ昔に伐採した樹木の切り株が、そのまま放置されているケースは結構多いかと思います。空き家の切り株はそのまま放置しておくと、シロアリを呼び寄せてしまう格好の標的となり、場合によっては空き家となった木造家屋の下まで侵食されてしまいやすい危険な状態と言えるでしょう。ネット検索で「切り株 燃やす」と検索すると、いくらか切り株の処分方法が紹介されています。ある程度の小さいサイズの切り株なら、人力で掘り返すだけで取り除くことも可能ですが、大きなサイズの切り株はそれ相応の重機なしでは立ち打ちできません。そこで、結構なサイズの木の放置切り株でも、重機無しで抜根できる可能性のある「切り株の燃焼処理」を個人の納得のゆくまで検証してみたいという企画を記事にしてみます。
草刈り110番【草刈り・芝刈り・草むしりすべてお任せ】 切り株の焼却を評価
そもそも、切り株のサイズや根っこの深さ・内部の乾燥状態によって、燃焼はかなりの長期戦になる覚悟が必要です。しかも、重機無しなので、地面をシャベルやツルハシを中心に掘っていく際にも結構な時間を要します。ここでは、自身の庭に放置されて残った切り株も数があるので、燃やして処分のはどのくらい大変なのか身を持って試しながら検証していきます。今回は、以下の3つの方法で燃焼時間による処分効率を評価していきます。...なんとも誰得感のある検証ですが、大量の切り株を燃やす機会というのも人生で一回あるかないかだと思うので、自分メモリアル程度に切り株を焼いていきます。せっかちな方のために、結果だけをまとめますと以下のようになります。燃焼法 | 累計燃焼時間 | 自己評価 |
---|
そのまま丸ごと | 24時間 | 時間がかかり過ぎて推奨しない |
事前に4分割(切り込み浅め) | 14時間 | もう少し時短したいところ |
事前に4分割 | 5時間 | 推奨 |
詳しい作業の内容は以下の節でそれぞれ紹介しています。免責事項
庭の草木を焼却処分される場合、自治体の法令にきっちりと則り、できるかどうかよく調べておこなう必要があります。たとえば市街地や、近隣の住居のが密集する地域だと、私有地だろうが直火式の焼却は禁じられている場合もあります。切り株を燃焼して処分される際に、法令等に不明な点がある場合には地元の警察・消防や自治体の役所に相談してみましょう。違反とはならずとも、近隣の住宅が密集するなどの状況では、発生した煙や匂いが元でトラブルになるケースも考えられます。この辺は、付近住民の方に十分説明しておかれる必要も出てくるでしょう。さらに言うと、結構なサイズの切り株は長時間+高温で燃焼させる必要がありますので、火傷や怪我のなど身体的な危険も含み、作業中は細心の注意が必要です。風の強い日などは、予想もつかない方向に火が燃え移り、火災の原因になってはいけないので、燃えやすいものがないかをきっちりチェックし、燃焼中は目を離すことのないようにすることも忘れてはいけません。ということで、切り株を燃焼させる方法をとる際には、以上の点をよくよく踏まえた上で、自己責任やっていただけるように、おねがいします。
草刈り110番【草刈り・芝刈り・草むしりすべてお任せ】 そのまま切り株を燃やす方法
ひとまずそのまま丸焼きにしてどのくらいかかるのか「基準」となる時間を評価していきましょう。対象とするのは地表から位置から50cm程度掘って、根っこをある程度露出させた以下の写真にあるような放置切り株です。掘り進める前には、一見2つの切り株に見えましたが、地中で根っこが繋がっているので、もともと一本の木から枝分かれした個体のようです。仕方ないので、真ん中の凹みを狙ってダブルで燃やします。焼却開始の初日。薪や廃材を燃やしてみます。開始から約3時間燃焼を続けた後...少しはボリュームが減ったように見えますが、完全燃焼までは先が遠そうです。個人の都合で作業時間に制限もあり初日はここで終わっておきます。2日目は5時間ほど燃焼できました。小さい方の切り株はだいぶ焼けましたが、大きい方の株はまだまだです。3日目は、焼き始める前に、取れそうな部分を斧やノコギリで取って少しでも時短してから再開します。この状態から、斧やつるはしなどで焼けて脆くなった箇所を削っていきます。砕けるところは砕きましたが、結構まだ硬いところだらけです。無理をせずにある程度とれたら、ここからさらに5時間焼いています。結局3日目の焼き終わりは以下の状態にまで焼き上げました。根っこの方がだいぶ消失しましたが、いかんせん木の主幹は割としっかり残ったままです。4日目もおおよそ5時間焼き上げました。ここまでで累計18時間強は燃焼させているのですが、中々しぶとく切り株の原型を留めています。ただ、根っこの部分が焼けて、下の空間がポッカリと空いてきました。5日目の燃焼前に脆くなっている箇所をできるだけ削ります。まただいぶ掘り進めやすくなったので、燃やせなかった反対側の根っこ部分も露出させておきます。ここから5時間追加で焼きます。ちょっと写真だと分かりにくいかもしれないですが、残すところ大きな横に伸びた根っこ一本で株が浮いている状態にまでなりました。そして、6日目...。まだ大きな切り株の塊は残っているものの、支えている根っこ部分は既にグラグラで地面から引っ張り出せそうです。そこで、スコップやハンマーで、掘り進めならが根っこを引っ張ります。地中部分から引っ張り出したヒノキの切り株は2m弱の範囲で放射状に伸びていたようです。たしかに燃やして小さくしなければ、重機なしの人力で引っこ抜くのはまず不可能でした。ということで、まだ切り株を燃やしきってはいないのですが、地中からの抜根が目的ですので、ここで処分達成ということにします。数日に分けて、途中、脆くなった箇所を削ったりしておりましたが、抜根までに要した累計燃焼時間は24時間
弱となりました。まる一日燃やし続けたことになりますが、労力や燃やすのに使った薪・燃料などを考慮すると、このやり方はあまり現実的なやり方ではなさそうです。
草刈り110番【草刈り・芝刈り・草むしりすべてお任せ】 (切り込み浅い)スウェーデントーチ法(4分割)
ここからは、「スウェーデントーチ」を模した方法を使って抜根までに必要な累計燃焼時間がどのくらい改善するか評価していきましょう。ここから適度な深さに切れ込みを入れます。焼き始めとして、根っこと切り株の頭を同時に火が回るように薪を配置し燃やしていきます。途中、前からやってみたかった切り株製スウェーデントーチにケトルを載せてお湯を沸かしてティーブレイク。薪を足しながら、4時間焼いた時点で以下のような状態になりました。ここから更に5時間追加で焼きます。それで日を空けて後日、燃焼を再開させる前に、弱くなった根っこをノコギリや斧等で落とします。さらに5時間追加で焼きます。この状態になると、地面から支えている根っこは一本になっているので、この最後の根っこをノコギリで切り落とすと、デヤッ...ゴロン。かなり重量級の塊がドスンと落ちてきますので、足先を挟まないように注意しましょう。ということで、切れ込みの深さをほどほどにした4分割の場合、抜根までの燃焼所要時間はおおよそ累計14時間
でした。
草刈り110番【草刈り・芝刈り・草むしりすべてお任せ】 スウェーデントーチ法(4分割)・その2
さきほどは切れ込みの深さをほどほどに抑えて切れ込みを入れていました。ひょっとすると、切れ込みを可能な限り深くしていくともっと所要時間を削減できるのでは、ということで、もっと深く切れ込みを入れた場合も検証してみます。そこで、見える限り根っこの分岐に近いような位置まで切れ込みを入れて燃焼時間の評価を試みます。これも先程のと同じように、上から下から切り株を焼いていきます。そして、5時間焼いてみると、以下の状態になりました。切れ込みを入れた深さまで、しっかり燃えて上の2つのやり方と比べても、明らかに燃焼時間が短縮されています。更に燃やそうと思いましたが、この切り株はなんだか根っこが弱っていたのか、ノコギリや斧で複数ヶ所が切断していくことができました。最終的に、グラグラして抜けそうだったので、力いっぱい押し倒すことで抜根が完了してしまいました。ということで、この方法の累計燃焼時間はおよそ5時間
という結果でした。切り株の地中の状態によっても、抜根までの燃焼所要時間が変わってくるので、この辺はラッキーなケースとして捉えておきましょう。切り株の切れ込みは深ければ深いほど、燃焼所要時間は短くできそうなので、上下に分断できるほど深くすると、かなり短い時間で抜根できそうです。
草刈り110番【草刈り・芝刈り・草むしりすべてお任せ】 まとめ
以上、今回の燃焼によるヒノキの数年放置された切り株の処分の結果を表にまとめますと、燃焼法 | 累計燃焼時間 | 自己評価 |
---|
そのまま丸ごと | 24時間 | 時間がかかり過ぎて推奨しない |
4分割(切り込み浅め) | 14時間 | もう少し時短したいところ |
4分割 | 5時間 | 推奨 |
という内容でした。今回の検証では、時短のポイントとなるのは、切り株内部にどのくらい切れ込みを深く入れられるか、によるように思います。庭までの通路が狭いなど、ユンボが入れられずに什器で掘り出すのが困難というケースでは、何かしら役に立つ情報になるかもしれません。あくまでも、長期に放置されて残されていたヒノキ・杉の木の切り株ですので、他の種類の樹木ではまた違う結果になる気はしますので、参考程度にしてみてください。