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2022/07/06
2023/12/12
バオバブは主にアフリカの乾燥気候で自生する大型の樹木で、ずんぐりむっくりの立ち姿がどこか印象的な植物です。鑑賞植物としても人気で、しっかり育てば愛嬌のある幹の太い特徴ある形に仕上げることも出来るようです。今回は著者としても、バオバブ初チャレンジということで、最初の難関である「バオバブの播種」をやってみた際の作業をまとめてみます。
バオバブ(アダンソニア・ディギタータ)種子5個入り 花ごころ さぼてん多肉植物の土 12L 平和 川砂(DIYシリーズ) 2リットル バオバブの年間管理・イベント早見カレンダー
植物の育成の専門的なことは判りかねますが、個人的な趣味の園芸活動にも役立てる目的もあり、おおよそ典型的な日本の気候での育成スケジュールを、一月1〜3期間区切りにした早見表にしてまとめます。 | 1-3月 | 4月上中 | 4月下-5月上 | 5月中 | 5月下 | 6-7月,8月上中 | 8月下-9月上 | 9月中 | 9月下 | 10月上 | 10月中 | 10月下 | 11月上中 | 11月下 | 12月 |
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状態 | 休眠 | 休眠 | 休眠 | 新緑 | 新緑 | 成長 | 成長 | 成長 | 成長 | 成長 | 落葉 | 落葉 | 落葉 | 休眠 | 休眠 |
植替 | ☓ | ☓ | ☓ | △ | △ | ○ | △ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ |
場所 | 室内 | 室内 | 室内 | 屋外 | 屋外 | 屋外 | 屋外 | 屋外 | 屋外 | 屋外 | 屋外 | 室内 | 室内 | 室内 | 室内 |
水 | ☓ | ▲ | ▲ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | △ | △ | ▲ | ▲ | ☓ |
肥料 | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ○ | ○ | ○ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ |
害虫 | ☓ | △ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | △ | △ | ☓ | ☓ |
病気 | ☓ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | △ | △ | △ | ☓ |
なお、記号の見方に関しては後述しています。よく考えると、半年弱もぐっすり休眠をとってしまうためか、休眠期間中は寝かせておくだけで、何もやらなくて管理が楽なのかと勘違いしてしまいます。実際のところ、以降の内容でじっくり考察しているように、バオバブの育成でもっともハードルが高いのは「冬越し」なんですねコレが。日本の厳しい冬に一瞬だけ管理を怠っただけで、全滅してしまうくらい、とても繊細な植物ということをお忘れなきよう肝に銘じておきましょう。管理カレンダーの大まかなポイント
上で取りまとめた表を主なポイントを箇条書き程度にまとめます。あくまでも、育成スケジュールの目安ですので、育成する土地の気候に合わせて、適度に調整することが必要となります。
バオバブ(アダンソニア・ディギタータ)種子5個入り 花ごころ さぼてん多肉植物の土 12L 平和 川砂(DIYシリーズ) 2リットル 発芽を促進するためにバオバブのタネを下処理する
ここでは海外の某バオバブ専門ブログの中で紹介されている手順をそのまま参考にさせて頂くとします。とりあえず以前購入したバオバブ(ディギタータ)の種子を取り出してみます。ディギタータの種子は側面から見ると、丸いハート型をしていることが分かります。バオバブの種子は一般的に非常に硬い殻で覆われているとのことで、短期間での発芽を促すために種子の中身をを傷つけない程度に削ってあげると良いとのことです。ということで、種子を「❤」に見立てたときの底面の部分を削るそうなので、この面を向けてクランプで固定します。最初なのでドキドキしながら棒ヤスリでひと削りだけしてみます。まだ削れた表面が真っ黒なのでセーフのようです。慎重に何回か削る内に、真ん中にうっすら白い箇所が見えてきましたので、ここら辺でやめておきましょう。大体横から見たら1〜2mmくらい削ったを側面から見たらこんな感じです。とりあえず後2つくらい同じように中の種子が薄っすら見える程度まで削ってみます。とりあえず今回は3つくらいで発芽するかどうか試してみます。ではこの3つの種子を水を入れた瓶に放り込みます。この状態で2日間放置させます。
バオバブ(アダンソニア・ディギタータ)種子5個入り 花ごころ さぼてん多肉植物の土 12L 平和 川砂(DIYシリーズ) 2リットル 種子の殻の除去〜発芽まで
瓶に種子を入れて1日目の様子です。少しだけ膨れているように見えます。ここでは水に浸して柔らかくした殻を発芽を待たずに事前に除去するという荒技を行います。殻を剥がす作業
さらに1日放置し、トータル2日間水につけた種子を取り出してみました。確かに全体的にふやけた感じにも見えます。一つ手にとって、殻が取れるのかトライしてみましょう。...ちょっと爪を立てた程度ではポロッと剥がれる訳ではないですが、ピンセットなどの硬いツールでなら堅剥を剥がすことが出来そうです。ということで慎重に殻を剥ぎ取ってみると、アーモンドナッツのようにやや美味しそうな感じに剥くことができました。どうも参考にしたサイトで剥がし終えた状態の種子はかなり白いものに見えたのですが、この状態だとまだ茶色い感じがします。よく観察すると、実は一段階、薄皮が剥けるようです。薄皮を慎重に剥くと、確かに白い種子が姿を現しました。発芽作業
次に発芽させるための苗床の準備をします。蓋のできるプラスチックのトレーに、キッチンペーパーを適度に湿らせた感じに折りたたんだものを使います。湿らしたキッチンペーパーの間に、先程の殻を剥いだ種子をそっと寝かせてあげます。ここから2〜3日放置して発芽するか様子をみます。下の写真は一日目の様子です。なるほど、ハート型の耳にあたる部分の片方は根っことして伸びるような構造になっていたことが分かります。おおよそ1日で根っこが伸びようとしているので、発芽は成功...?したのかな。下の写真は二日目の状態です。ここに来て、根っこは結構伸びています。更に、葉っぱの部分が黄色から薄っすら緑に変わりつつあることが確認できます。更に三日目になると、かなり大きく成長していることが分かります。この状態だと、すでに発芽フェーズが終わり成長段階になっているようなので、苗床から出してプランターに植え替える作業に移ります。たまにある発芽しないバオバブの種について
上記で説明してきた方法だと、百発百中でバオバブの種子を発芽させることができるかというとそうではありません。というのは、生まれながら中身に欠陥があって発芽することのない種子がいくつか必ず混じっているからです。このもともと問題のある種を発芽させようとすると、下の写真で右側のように、そのまま腐ってきます。写真左側の正常に発芽したバオバブと比較して、種子の硬皮を剥いた時点では発芽するしないの区別がつかないため、実際に発芽するかは数日待ってみる必要があります。腐っている種子は、悪臭もするので、放置しても腐っていくだけです。もしかして土にいれたらまだ生きているかも...と植えてみたところで、芽を出すことのないまま腐ちていきます。なので残念ですが、発芽しない種子は発見したらひらすら臭いだけですので、すぐに捨てましょう。
バオバブ(アダンソニア・ディギタータ)種子5個入り 花ごころ さぼてん多肉植物の土 12L 平和 川砂(DIYシリーズ) 2リットル 鉢に植え替える
では先程発芽したバオバブを鉢植えに植え替える作業を行います。バオバブ育成にとって土壌作りは重要な課題の一つです。まず、バオバブは乾燥気候の植物ですので、水はけが良く、さほど養分の少ない土壌のほうが適しているそうで、メインの土にサボテン土を使い、更に水はけを良くするために砂を混ぜて土を作ります。バオバブには弱酸性の土質は適さないとのことで、中性の砂を選択することにしました。またバオバブは根を真っ直ぐ下ろすようなので、植え替え先のプランターは10cm以上の深さのものを利用するとのことです。まずは鉢に水はけを良くするために、砂の層を作ります。水はけが良くないと、バオバブの根っこが腐りやすいようなので、プランターで育成する場合には排水処理が大事のようです。適当なメッシュがなかったので、応急処置としてキッチンペーパーで...破ける前にメッシュを買ってこようと思います。サボテン土は鉢が2つなので2Lくらいの量で十分かと思います。サボテン土ももっと水はけを良くするために、砂を1〜2割ほど足して混ぜておきます。鉢に土を10cm以上で敷き詰めます。そこにバオバブを伸びた根っこを下にしてそっと置きます。バオバブを隠すように砂を薄っすら被せたら植え替えの完了です。発芽を確認する
植え替えからはもう屋外で鉢を設置してから成長させます。丸一日放置しておくと、一日目にして浅く埋めておいた砂の中から芽が顔を出していました。
バオバブ(アダンソニア・ディギタータ)種子5個入り 花ごころ さぼてん多肉植物の土 12L 平和 川砂(DIYシリーズ) 2リットル バオバブの冬越しに失敗した話【翌年の日記】
※2023年6月に更新した内容です。冬を越したバオバブは翌年暖かくなり始めた5月中旬から6月ごろに新緑のシーズンを迎えます。しかし。バオバブの育成で、もっとも難しいのが、この「冬越し」です。バオバブは11月頃の寒くなってきた頃にすべての葉っぱが落葉して、見た目が枯れ枝と区別がつかなくなってしまいます。そして本格的な冬本番を前に、休眠モードになって、暖かくなるシーズンをひらすら待つという植物になります。休眠モード中も、デリケートに扱わないといけないので、その時期に植え替えしてしまうと、根っこなどもダメージが大きくなる可能性もあります。この期間は、育てる人間もバオバブの状態は確認しづらいので、次の春以降に新緑が芽吹くかどうかは、正しく防寒対策した上で、ひたすら祈りながら待つことになります。いかんせん、外気5℃以下になると危険領域と言われ、これより寒い温度の日なんて、日本の冬だとザラにあります。で、バオバブの冬越しのタイミングで、一週間程度臥せってしまいまして、その期間、ガッツリ氷点下の日が続いてしまうことがありました。すっかり防寒対策したつもりでいたのですが、全然忘れてた鉢がいくつかありました。こうなると、多分ダメかな〜?もう防寒対策しても遅いかな〜?ということがあり、ひとまず今年の6月まで様子を見ておりました。この時期に芽吹かないので、既に手遅れな感じですが、地上に出た見た目は枯れ枝...というか落葉したときと差がないので、判断がつきにくい感じです。とはいえ見た目は分かりにくいですが、触るとなんだかブヨブヨとしています。こうなると残念ながらバオバブが腐っている状態になっています。お亡くなりになった状態ですので、いくら待っても新しい葉っぱは生えてくることはありません。せっかくですので、「冬越しに失敗した」バオバブの土の下の状態も確認しておきましょう。既に根っこもなく、肥大化した表皮が腐っていることが分かります。かつて根っこだったものが、皮だけを残して、ぽかんと中が空洞になっていることも見て取れます。当然ながら根っこがこれでは再生することも不可能です。ということで、防寒対策できなかった株はすべて漏れなく根腐れして、干物のような状態で短いバオバブ生を全うされていました。冬越しの方法に関しては、余裕があれば今後別の記事にて手順の説明してみようと思っています。
バオバブ(アダンソニア・ディギタータ)種子5個入り 花ごころ さぼてん多肉植物の土 12L 平和 川砂(DIYシリーズ) 2リットル まとめ
まだまだこのバオバブを鑑賞植物として楽しめるようになるのは少なくとも発芽させてから数年後からになるので、気長にしっかりとお世話する必要があります。鑑賞植物を苗から育てるのはかなり根気と時間がいる作業ですが、テレワーク等でお家時間が増えた昨今、自宅での時間に余裕がある方であれば、日当たりの良いベランダでじっくり育ててみるのも一興かと思います。また、もともとアフリカの砂漠〜熱帯気候に自生する植物ゆえに圧倒的に寒さに弱いという性質上、日本での育成には「冬越し」がもっともハードルの高いイベントになっています。参考になるサイト
ぱんさのマイナー植物園 バオバブ王国バオバブの育て方栽培管理|バオバブの育て方