[アグリテック企業ピックアップ] スマート農業事例紹介 ~ セラク<6199>


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2021/03/18

スマート農業関連銘柄企業の取り組みをまとめてみるシリーズの第4回目です。

今回はスマート農業用クラウドプラットフォーム・
みどりクラウドを展開する・セラク,銘柄コード:6199のスマート農業用ITソリューション製品に関してまとめてみます。


みどりクラウド

セラク社はITインフラなどのクラウドソリューションの会社ですが、近年ではDX分野に注力し次の事業の柱に据えているようです。

みどりクラウドは農業分野のDX事業として立ち上げられたセラク社のサービスブランドの一つであり、農業とICTの融合による技術革新と農業生産性・収益性の向上や流通の効率化を掲げてられています。

参考: みどりクラウド

みどりクラウドが提供するソリューション製品は現在主に二つがあります。

        みどりモニタ:
    みどりモニタ(アプリケーション)、みどりボックス(ハード機器)を、
    クラウドサービスに統合した農作業者向けパッケージ商品

みどりノート:
    日々の農作業記録、スタッフの管理、GAP認証取得に対応するための各種記録、
    環境計測データを連携した分析などを提供する農業経営者向けアプリケーション
        
この内、スマート農業向けのサービスとしてはみどりモニターという、専用のアプリケーションとハードウェアみどりボックスを組み合わせ、インターネットを介してクラウド側でデータを解析・管理する方式で利用できるようです。

合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

出図:
https://info.midori-cloud.net/production/monitor/service/より抜粋

みどりアプリと呼ばれるスマホやタブレットにインストールできる専用のアプリケーションから現在の圃場の環境をリアルタイムに確認したり、過去のデータとの比較解析といった統計情報も即座に表示されます。

また圃場の環境に予期せぬ異常が検知された場合には端末とメールに速やかに通知されるような機能もあるようです。

みどりボックス

センサーなどのIoTノードを集積しているハブ機能をもっている通信機器です。プランに応じてみどりボックスPROみどりボックス2の2種類のみどりボックスが存在しているようです。

合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

出図:
https://info.midori-cloud.net/production/monitor/spec/より抜粋

参考:生産支援コース(耕種生産者様向けプラン)

センサーの通信できる範囲には制限があるので、より広い面積の圃場に対しては、複数台でカバーできるように契約台数を増やす必要があります。

みどりボックスPRO

みどりボックス2

特徴

完全防水・センサーの拡張が可能なプロフェッショナルモデル。露地栽培や大規模生産施設で使用

必要なセンサーがセットになった入門モデル

通信

4Gモデル OR Wi-Fiモデル

4Gモデル OR Wi-Fiモデル

防水機能

防水性能有り(IP65相当)

簡易防水

センサーケーブル長

1m~50mまで延長可

約3m

基本センサ

カメラ/温湿度

カメラ/温湿度/温度/日射量

追加センサ(別売)

(最大6種類16個まで追加可) 温湿度/温度/日射量/水位/CO₂濃度/風速風向/土壌水分/土壌複合(水分・地温・EC)

土壌水分/CO₂濃度のみ

その他追加オプション

環境制御オプション・センサー無線化キット

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なお搭載センサは以下のような特徴をもちます

        温度:
    -20℃~60℃までの気温を測定

湿度/飽差:
    静電容量式の相対湿度センサーを採用。
    計測した相対湿度と飽和水蒸気圧を基に飽差も算出

日射量:
    波長400~1100nmレンジの太陽光放射強度の計測値から日射量を算出

カメラ:
    植物の状況や窓の開閉状態、侵入者など状況写真を撮影

土壌水分:
    土壌内の水分量を体積含水率に換算し、
    土壌中における水分の変化をモニタリング

CO2濃度:
    0~5000ppmまでのCO₂濃度を計測

土壌EC:
    土壌の肥料含有率をECとして数値化し施肥設計を容易化。
    高機能版では土壌電気伝導度の計測に対応

pH:
    土壌中の肥料バランスが変化をモニタリング
    (※受注一時停止中)

水位:
    水稲作の水管理の状況を測定に利用

風速/風向:
    0〜40.0m/sまでの風速・風向の計測が可能
        
各種センサーは2分おきに計測が行われ、クラウド側に自動でデータを送信が行われるようです。みどりボックスが故障した場合にも、クラウド上にデータが残っている状態になるので、データバックに余計な手間は掛かりません。

料金体系

IoTパッケージのみどりボックスの導入台数によって利用料が加算されていくようです。

月額料・改定前(現行)

月額料・改定後

1台目

1,280円

2,280円

2台目以降

980円

1,980円

なお、2021年9⽉より料金が改定される予定です。またこの料金には、環境制御オプションや無線化キットオプションなどは含まないようです。


最近の株価動向

さて、セラク社のスマート農業事業が全体の売上に占める割合もまだまだ2割にも満たないため、スマート農業向けソリューション製品が株価に与える影響もさほどではないように思えます。

ただし今後DX事業は成長戦略の柱に位置付けられているので、伸び代は大きいとは言えます。競合他社との競争の中である程度のシェアをどこまで伸ばせるのかが成長のキーになると思います。

合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

2021年3月17日現在までの株価の変動としては、去年の10月後半に2900円近くの高値を突く場面がありましたが、セラク社ではコロナ禍の中でも好調出会ったリモートワーク関連銘柄として買われており、去年一年では株価が大幅に伸びていたことがわかります。

今年に入って、リモートワーク関連株の熱が冷めてきたのか、急速に株価を下げて、1800円台を横ばいで推移しており、今後もリモートワークに関連した事業の方で株価の変動が左右されそうな気配です。なかなかスマート農業関連銘柄として株を保有するには少し先行きの読めない展開が続きそうではあります。

その他参考

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記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

個人レベルで可能なハイテクx農業を日々模索しています。 時折スマート農業界隈の気になったニュースなどもゆるく情報発信する感じです。