[アグリテック企業ピックアップ] スマート農業事例紹介 ~ イーサポートリンク<2493>


※ 当ページには【広告/PR】を含む場合があります。
2021/03/14

スマート農業関連銘柄企業の取り組みをまとめてみるシリーズの第3回目です。

今回はクラウド上で栽培スケジュール管理サービス
農場物語を展開する・イーサポートリンク, 銘柄コード:2493のスマート農業用ITソリューション製品に関してまとめてみます。


事業概要

イーサポートリンク社は主力事業である青果流通管理のICTシステムを開発・販売する傍に、農業支援事業も取り行っている企業です。

殊、他のアグリテック企業にはない強みである青果品の物流ノウハウをビジネスの支点にしながら独自のスマート農業サプライチェーン・次世代型のICTプラットフォームの開発・構築を切り口に、投資家目線で見ると今後の成長が楽しみな企業だと思います。

近年の農業を取り巻くサプライチェーンの変化として、政府が進めている農協改革及び中央卸売市場の法律改正などで、戦後から続いていた農協一強ともいえる日本の青果品流通もようやくメスが入る状況になってきたことで、チェーンストアを中心に地域に根ざした地元生産者との直接取引が活性化し、品揃えの多様化・差別化を図るケースも目立つようになりました。

またベテランの農業従事者の高齢化で農業をリタイアする専業農家が増加する一方で、若い世代の中大規模農家が入れ替わりに増加しているため、次世代の農業用サプライチェーンのプラットフォームを構築することで、より効率的な流通システムをスムーズに導入できると期待されています。

この画期的な流通システムは今まで不可能だった、直接のコミュニケーションによる新しい青果品のサプライチェーンが実現できるようになるかもしれません。

合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

出図:
https://www.e-supportlink.com/より抜粋

IoTサービス・農場物語

イーサポートリンク社のスマート農業への独自の取り組みとして、農業法人事業者向けのICTソリューションである[農場物語](https://www.e-supportlink.com/service/farmstory/)というソリューションパッケージ商品で商業展開しています。

この「農場物語」では栽培計画に基づいた生産管理、効率的な現場作業管理、農薬の適正使用を中心としたリスク管理、コスト/収益管理など、農業の現場に求められる業務を細かくサポートする機能が豊富にラインナップされています。

合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

出図: 農業物語の業務サイクル概念図,
https://www.e-supportlink.com/service/farmstory/より抜粋

「農場物語」はパソコンやタブレットの端末に専用アプリを介して、農作業者が現場でも手軽に作業できるように工夫されているようです。

主な機能を以下に整理しておきます。

        + 栽培計画・実績をクラウド上で管理:
    品目別の栽培計画から栽培履歴まで、すべてをクラウド上で管理し、
    必要な情報をいつでもどこでも取り出せる
+ 使用農薬の自動チェック:
    日々更新される最新の農薬情報を即時チェック
+ 圃場単位での作物の売上・コスト管理:
    圃場単位で売上や農薬、肥料、資材、人件費などのコストを可視化することで、
    最適な生産計画の立案
+ 生産計画に基づいた作業指示の自動化:
    栽培計画に基づいた作業指示を自動的に送信。
    指示漏れや作業ミスを削減に貢献
+ メッセージアプリで情報共有:
    従業員が相互に全体の作業状況を把握でき、
    個別の確認作業工程が削減され、効率的な運用が可能
+ マップ機能活用した圃場管理
    圃場の位置情報を視覚的に把握し、
    作業指示者と従業員の認識のズレを防ぐ
+ GAP認証の取得をサポート:
    生活者や取引先から信頼される農場の目印となるGAP認証の取得をサポート
+ 安全性やこだわりを消費者へアピール:
    丹精を込めて生産した農産物のこだわりや栽培履歴を消費者へ発信
        

最近の株価動向

イーサポートリンク社の農業支援事業が全体の売上に占める割合は現行で2割程度しか無いので、スマート農業部門が株価に与える影響はさほど支配的では無いものの、セグメントの売上としては多少は増加傾向にあるようです。

2021年3月現在で、900円台後半で若干の値上がりトレンドに入っていっており、昨年度から黒字収益を続けていることもあり、株価はゆっくりと上向きに上昇しつつあるように見えます。

合同会社タコスキングダム|TacosKingdom,LLC.

企業内ニュースプレイスを覗いてみると、スマート農業関連で大きな話題になるようなニュースはここ数年間でも特に無いようですので、投資家心理としては、スマート農業関連銘柄として評価されるよりは、次世代ICTサプライチェーンに期待して株式を保有するような判断になるかもしれません。

今後も何かスマート農業関連のニュースがあれば、ここで紹介していきたいと思います。

その他参考

「スマート農業」が24位にランクイン、菅政権の重要施策の一つとして注目高まる<注目テーマ>

記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

個人レベルで可能なハイテクx農業を日々模索しています。 時折スマート農業界隈の気になったニュースなどもゆるく情報発信する感じです。