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2021/03/12
スマート農業関連銘柄企業の取り組みをまとめてみるシリーズの第一弾です。スマート農業分野は、まだ始まったばかりの業態と言っても良いので、未だ従来型の農業と比べて市場規模がさほど大きくありません。また、ソフトウェアであったり、ハードウェアであったり、"何をもって"スマート農業と位置付けているかも事業者によってまちまちですので、スマート農業分野に興味のある投資家にとっては少し理解しにくい面があります。本ブログでは不定期ではありますが、個別に気になったスマート農業関連銘柄企業の情報を整理して、その企業が「何の」「どのような」スマート農業関連の商品・サービスを展開しているのか掻い摘んでまとめてみるコーナーです。今回はキーウェアソリューションズ社, コード:3799のスマート農業用ITソリューションに関してまとめてみます。
スマート農業向けICTソリューション・OGAL
OGAL(オーガルと読む)は、地域密着型の特色のある農作物作りを支援する包括的なクラウドサービスのようです。利用者は地域ぐるみでOGALクラウドという集約されたオンラインのハブにアクセスしながら、さまざまな情報をリアルタイムで共有できることがこのサービスの最大の売りになっています。出図: https://www.keyware.co.jp/products_solution/object/agri.html
OGALの導入には、サービスを契約した農家個人だけでなく地域を管轄する自治体の農業部門や、クラウドサービスを使いこなし指導することのできる組織団体の連帯が必要不可欠なため、どちらかというと、「民」というより「官」の色は強いサービスです。OGAは主に以下の4つのサービスがパッケージされている商品のようです。OGALモニター
OGALモニターは、遠隔操作による圃場のデータ採集とオペレーターへの視覚化を行うOGALのコアサービスです。ブラウザからの操作ですので、基本的にパソコンやスマホ・タブレットなどのデバイスに対応しており、専用のソフトウェアのインストールせずに利用できます。センサーやカメラは圃場内に適切に設置しないといけないものの、インターネットに接続できれば、さまざまなセンサーからクラウドを通じて一元的にデータ管理・蓄積することが可能になります。判例に挙げられている典型的な値段設定例は以下のようになるようです。出図: https://www.keyware.co.jp/products_solution/search/agriculture/ogal-monitor.html
より抜粋大体、1haの作付け面積をカバーするのに年間40万円の利用料がかかる計算であり、リターンの大きい作物であればリーズナブルな価格設計であると思います。OGALリンク
OGALリンクは、熟練農業者の知識・技能といった高度なノウハウをクラウド上で管理し、新規就農する方がすぐに知りたい情報をOGALクラウドにアクセスすることで、簡単に検索することを可能にしている情報共有プラットフォームです。出図: https://www.keyware.co.jp/products_solution/search/agriculture/ogal-link.html
より抜粋利用者はパソコン・スマホからでもインターネットを介して、いつでも情報交換ができるようになります。また利用者が記録した栽培情報をアップロードして、それを情報共有することでノウハウを、OGALのシステムを共有する関係者へ向けて発信することもできます。OGAL-TM
OGAL-TMは、OGALネットワークで利用できる労務管理用のアプリケーションのようです。こちらは農業経営者の業務を支援する機能を提供してます。特長だけでいうと、OGAL導入事例
OGAL導入事例では、OGALを導入して、地域ぐるみでイチゴの生産に力を注いでいる宮城県亘理町の取り組みが挙げれています。宮城県亘理町の取り組んでいる『いちご団地』では、OGALソリューションにより、新設ハウスの設備を活かした新たな栽培栽培ノウハウを構築したことが取り上げられいます。これはOGALモニターにより、ハウスの屋内外に設置した各種センサーから日々のクラウド上に自動収集し、遠隔地から農作物の変化を確認できるシステムです。これにより品種・作型の研究や、データ解析に基づいた栽培手法の検討、CO2施用方法の改善、燃料費の削減など、早期の地域展開を目指した施策に活用され、産地の活性化や競争力向上に大きな期待が寄せられています。
株価の動き
市況ではスマート農業関連銘柄も注目を集めているようですが、2021/3/11から直近一年の値動きに関しては以下の図のように推移しています。政府からスマート農業を重要な成長分野の柱の一つにするというニュースがあった昨年2020年の秋頃からは何度か大幅に買われて株価も反応して釣り上がっているように見えるシーンがありますが、現状ではスマート農業への過熱感も落ち着きを取り戻して、ここ最近大体単位株あたり700円前後で動いています。これはキーウェアソリューションズ社のスマート農業関連事業が、全体の事業割合として小さく、農業ICTソリューション製品OGALのスマート農業市場でのプレゼンスがどの程度になるのか未知な面も大きいので、投資家心理として積極的に評価しにくい、という表れともとれます。まだまだのOGALの導入実績の積み上げや検証しなければならない課題も多く残っているようですが、今後順調に魅力のあるサービスとして成長していけば、成長材料として前向きに評価されてくるかもしれません。ただし、先程も言ったように、キーウェアソリューションズ社の主力となっている製品群はICT分野に広く多岐に渡っているため、個人的な見解としては、スマート農業関連銘柄と見るより、ICTソリューション関連銘柄と見たほうがより正しい認識かもしれません。今後のOGAL関連のニュースプレイスも発表されていれば、適宜この記事もアップデートしていこうかとおもいます。参考: キーウェアソリューションズ社IR情報, https://www.keyware.co.jp/ir/index.htmlその他参考
「スマート農業」が24位にランクイン、菅政権の重要施策の一つとして注目高まる